2018.7.23 和梨勉強会
◆清田さん梨園見学
(清田さん)先生、一本切ってしまおうかと思う木があるんですけど、見てもらえますか?
多分、この木から入ったと思うんですけど、気が付いたら、この一角がひどくなってしまったんですよ。
結構、いっちゃっているな。観察している感じだとこれといって悪いのは見えないけど。
(旦那さん)秋過ぎにダニが相当ついちゃったみたいだね、徒長枝にね。
→それが移っちゃったのかな。
これって、元肥とかはどうやっています?
(旦那さん)元肥はオーガニック、ハーモニーシェルも全部入れて、ペレットも入れて、けい土も入れて。元肥に微量要素も暮れに撒いて、6月にも撒いて。
(清田さん)先生にね、お父さんがダメで切っちゃおうと思った木があって、それを診てもらおうと思ったら、治っている。
→どこが悪いんですか?全然わからない。
(旦那さん)去年は悪かったんですよ。秀玉という梨で、強剪定しちゃえばいいと思って、短くちょん切っちゃった。
→これって結構、鉄を撒きました?
(旦那さん)はい。
→樹勢がまず弱っていくのは鉄欠乏からなんですよ。樹勢が弱い時は鉄をまずは撒いて下さい。
(押田さん)微量要素って多めにやっても障害はない?
→大丈夫。若干多めで。それにしても、どこが悪いのか全くわからない。
(旦那さん)これ豊水なんですが、4,5月に特に丸まっちゃったんですね。
→まだ根が発達していないんですよ。こういうのも鉄を多めにした方が良いんですよ。
あとね、出来るだけ追肥で酒粕などを。オーガニックでもいいんですが、酒粕だと土が柔らかくなるので根の張りが良くなるんですよ。
あとはね、岡山とかはほとんど酒粕。
(押田さん)じゃあキウイにもいいですね。
→いいですよ。
(旦那さん)ダニがついたらもうダメなんで。
→そこだけ薬がかかりずらかったのかもしれませんよね。
(旦那さん)先生、この木がね、花が咲かなかったんですよ。花がぽちょっとしかならなかったから、もう全部花芽を取っちゃったんですよ。そしたら息を吹き返したんですよ。どういうことでしょう?
→いや、養分の分配が良くなったんでしょう。やっぱりリンをちゃんとやらないといけないですよね
(丸山)水はこの周りなんですか?
大体、空いているスペースでやっている。あんまり浸みていないかもしれないけどね。気まぐれになっちゃう感じはあるんですけど。
(丸山)棒を指してみますか。
(清田さん)5~6年前の紋葉の頃とは違うわよね。
→だって、木の肌の色が違うもの。やっと正常に戻りましたね。
(押田さん)努力しているから。
<棒を刺してみて>
(丸山)入りましたね。
(清田さん)この辺、硬いと思ってたんですけどね。
→だから、こういう木になると量がとれるようになるんで、鉄を始めたした微量要素が減っちゃうから。そうすると、この元葉がやられますからね。特に苦土欠にならないように。
(押田さん)どういうふうにすると元葉やられるって?
→根が張って、良い状態になると養分の吸いが良くなって、減りが激しいんですよ。その中に鉄とか苦土とか一番減らしちゃいけないものが。
(清田さん)鉄は年に2回。
→何%ぐらいですか?
(丸山)凄い少ない。
→ちょっと足りないかも。
(丸山)リグニンミネラルなので、それで結構安い。
(清田さん)ただ、前に収獲に近い時に、かおりが、中が変色してしまったので、少し早めの時期にやるようにはしているんですけど、もうちょっとやっても良いですよね。
→基本的には元肥ですからね。
(清田さん)そうですね、元肥でもやっています。え~とね、去年は元肥ではなくて、収穫が終わって、まだ葉が残っている間にやってみたんです。
→あ~、ちょうど良いです。
(清田さん)それで、あとは追肥で。
→樹勢回復期に一番必要なのは根の張りなので、鉄は必須です。鉄が無いとどんどん弱くなっちゃうので。鉄は活性剤です。梨の茶色の赤い色は鉄で出るので。色が出れば出るほど、鉄不足になる。
(清田さん)前はこんなじゃなくて硬かったからね。草が抜けなかったからね。
(旦那さん)土は柔らかくなったからね。
(丸山)あの太さの棒が入るのは尋常じゃないですからね(笑)
→これ、酒粕使うともっと柔らかくなります。肥料として撒けばいいです。溶いて撒ければなお良いです。反当たり40~60kg。撒いてあげると、土がふかふかになる。出来れば秋口から。
(丸山)葉がある時にある程度やってあげないと下に沈まないっていう。
→そうすると、来年の春、最初から調子が良いね。やっぱり調子が良い時って、春先から調子が良いんですよ。途中からじゃないんで。
ま、やっと安心して見られるようになりました。あとは桃やりましょう(笑)
(清田さん)来年は先生に是非美味しい桃を食べてもらって(笑)