■まとめ

(丸山)それでは、果樹勉強会の締めの座学で、今回回った要点の再確認と新しい質問を含めて、来期に向けてという所もふまえてお願いしたいと思います。

ちなみに今回もってきた資料は押田さんのキウイの去年の12月6日にやった一番圃場です。肥料過剰という部分と共に、ここの部分が。

→アンモニアが出ているの?

(丸山)熱水抽出なので、菌体の方が。

→梨の生育の窒素の6割が地力窒素なんです。だからやらなくても6割は穫れる窒素なんです。

窒素14.7kgとかは。普通はこれは0なんだよね。通常は出ないのですが、これは有機体の窒素で、微生物だったりアミノ酸だったりで普通は試験機に引っかからないんです。

ところが、熱水抽出だと菌が死ぬんでそれで解剖されて数字が出てくるです。

(丸山)もしかすると押田さんの畑は浅いんで…

(押田さん)1番は一番古いキウイなんです。

(丸山)これは特に問題ない畑?

(押田さん)うん、良いものが出来ます。

(丸山)じゃあ、それが正しいですね。14kgなのでそんなに障害は出ないので、窒素があるというイメージでも問題はない。

(押田さん)苦土過剰は?

→このぐらいは問題ない。熱水抽出であれば全く問題ないです。

(丸山)リン酸は熱水抽出だと出たり出なかったりとムラが出てしまうんですが。もしかしたら微生物体が崩壊して出ているかもしれないので、これが死ぬ前だったらリン酸的には保有しているので過剰じゃないという部分もあります。

何番圃場が新しい畑になります?

(押田さん)5番、6番かな。

(丸山)これが先ほど見た2つの畑のところ。畑が出来ていないので㏄が4.1しかない。補肥力が無い。

(押田さん)それはさっきの全滅の畑だと思う。

→やっぱりリン酸が無い。これはやばい。これは花咲かない。

(押田さん)何を入れたらいいの?

→何かけてもリン酸無いと。リン酸の肥料を入れないと何でも駄目。

どうもさっき、葉っぱの色がおかしいなと思ったんですよ。

(丸山)これだと石灰も無いので、過リン酸石灰が良いかも。

(押田さん)今やっても良いですか?

→いつでも。全然、全くやばい状態。このままだと来年の花も咲かない。

(丸山)だから葉っぱも大きくならなくて、あの色も出ちゃう。

→全然窒素を消化できる状態になっていない。過リン酸石灰を急いでやった方が良い。耐寒性が全く無い木なんで。

(押田さん)寒さに弱いのもそのせい?

→もちろん。だって窒素を消化できないから、ずっと木が動いているんですよ。だから木が休眠に入らないので、いつも水を持って凍害に合いやすい。

(丸山)この畑は元々苗を植える前に何か?

(押田さん)何もやっていない。

→あちゃ~。何もやらないで植えた?それは。土壌分析してから植えないとアウトです。

(丸山)堆肥とかは?

(押田さん)やってあります。

(丸山)反何トンぐらい?

(押田さん)意外と小さいから、木の周りだけ。

(押田さん旦那さん)植穴は?

(押田さん)植穴はちょちょっと土埋めて置いて。

→やばい。相当まずいですよ。単純に言うと、食べ物食べるでしょ?人間は体動くでしょ?その食べ物を消化してエネルギーに変える仕組みが必要なんです。

植物も肥料をやると、吸収した肥料を違うものに使うんですけど、その道具がリンなんですよ。それが0。

(押田さん)それは過リン酸石灰をやることで修正できます?

→はい。あともう1つ石灰を見てください。カルシウムが足りないんです。

(丸山)これ、ⅭⅭが低いのでちょっと足りないぐらいと思うんですけど、そもそも足りない(笑)ⅭⅭが低すぎる。

→だから、phは6.7ぐらいにした方が良い。そうすると本当の意味でのphが見えるかもしれない。7.じゃなくて6.7。

(丸山)5番圃場は梨ですね。キウイだと思っていたね。6番はその梨園の横の園。

→そうでしょ?あそこの葉っぱもおかしかったもの。だから下手したら塩害じゃないかも。あそこは園が別れていて、半分で畑が別だったかもしれない。同じ1枚じゃなくて。

(押田さん)風を受ける受けないの差だと思っていた。

→ちなみに、あそこのキウイ畑1枚は全部一緒だったんですか?それとも別だったんですか?

(丸山)何もない荒れ地、草畑。

→何もしていない?何も無いから余計抵抗性が無いのかな?全然キウイに必要な要素が無いんですよ。

→この42って熱水じゃないよね?

(丸山)全部熱水です。

→熱水だと下手するとカルシウムくっついちゃっている。小さく出る場合があるから、もう少し大きく出るかも。

ただ、リン酸はあんまり無いかも。梨園はどう?

これ、可給態リン酸が0でしょ?5番畑。

(丸山)57。

→全然違う。

(押田さん)梨は適正値か。

→だから荒れ地は全く無いんですよ。梨は花が咲いて実がなって窒素がそっちに逃げるところがあるんですよ。

ところが、リンが無いと実の方に逃げないからみんな枝の方に溜まっているんですよ。えらいことだ。

(押田さん)じゃあ、過リン酸石灰、反当どのぐらい入れたらいいですか?

→そうですね、0だから、最低でも200kg入れた方が良いかも。

これ、多分、計算すると10体必要ですよ(笑)

(押田さん)過剰っていうのは?

→無い無い(笑)まだ10体でも足りないぐらい。これ、既定の数字入っていても恐らく600kgぐらい必要。

なので、基本的に木が大きくなったらもっとリンの要求量が増えるから、徐々に入れてあげてください。

最初は10体にしておいて、まだ赤ちゃんの木だからよしよししてあげて、あまり広く撒かずに、木から両端2mの範囲で撒いて上げて下さい。

キウイの半径2mで撒く。で、だんだん木が大きくなってきたら全面積。

多分、押田さんは梨の方にだいぶ投資しているんですよ。同じ土のはずなんで、それが0から57になったっていうのは、相当凄い数字なんですよ。

過去、相当リン酸入れていました?溶リン?

(押田さん)EM溶リン。

→相当入れたでしょ?

(押田さん)過リン酸石灰を担当10体やるとしたら、あとの手立ては?

→まずはそれをやって、リンとカルシウムの欠乏を治す。

これは無理ですよ。

(押田さん)あの畑は作りずらくてね。普通に肥しは降っているんだけど、効かないんですよ。

→肥し足りないというのは、ツルは伸びるんだけど葉っぱが大きくならないんですよ。

ツルが伸びるのは窒素。だけどリンが無いから葉っぱが大きくならず、葉緑素が無いからきれいな緑にならず茶色っぽくなっちゃう。

(押田さん)キーゼライトもやった方が良いですよね。

→まあ、リンを効かせるためには苦土もあった方が良い。1回、丸山さんに設計してもらって下さい。

一番のメインは過リン酸石灰。それがまず重大。

(押田さん)それで1カ月以内に矯正される?

→徐々に変わります(笑)

(押田さん)元肥にやった方がよいですか?

→まずは今年はそれでOKです。来年はこれで行っちゃう。

(清田さん)新しく畑を作る時には、まず地質をしっかり調べて、設計を立てて、それから苗木を植えていく事が大事なんですね。

(押田さん)ベッドを敷いて、マルチを敷いてという事でしたが、冬の日照じゃ駄目ですよね?

→いえいえ、お見せします。

リン酸欠乏ってなかなかわからないんですよ。果樹園でなかなか無いので(笑)

あれだけツルが伸びているから窒素はあるんですよ。でも葉っぱが大きくならない。窒素があるということは、普通は葉っぱは大きくなるんですよ。

だけど大きくならないのは細胞分裂が出来ないから大きくならないんですよ。

だから全体的にリンが無いんです。

(押田さん)過リン酸石灰で寒さには?

→強くなる。リンが無ければ耐寒性が急激に落ちる。ネットで「リン酸欠乏 耐寒性」で調べてみて下さい。

(押田さん)うちの畑はそれが欠陥だったんですね。だから枝が裂傷が出来て。

→そうです。人間で言えば傷を治す時、血がドボドボしていて血が固まらないんです。

→冬でも太陽熱が効くよっていう映像です。場所は岩手県の一ノ瀬。2月の中旬ぐらいからやって3月22日に太陽熱を終了した。

ここは元慣行だったところですが、太陽熱養生処理をすることで、2mぐらいの棒が刺さる畑になった。

(丸山)ポイントは耳まで、端っこまで塞ぐということ。特に寒いので。

(参加者)柔らかくなった、ならない、という指標はどのぐらいの棒を刺しているんですか?

→大体1~2m。

これが見せたかった洋梨園。新潟で、最初はもう酷かったんですよ。木も伸びないし。

リン酸も凄かったね(笑)だから全部やりました。

よ~く見て下さい。徒長枝がほとんど無いのわかります?枝も無いんです。

 

ここも2mの棒が入ります。この人の隣の園でやると入らない。だからみんなこの園に来て刺して遊んでみます(笑)

で、なんでこんなに良い洋ナシがとれるか不思議がっているんですよ。

 

結局、根っこの量が半端じゃないので、肥料を吸うスピードがめちゃくちゃ速いんです。だから太く早く止まるんです。

これが細々と吸っていると、ヒョロ~っと伸びるんですね。温度があがって雨がくると急に効いて、もとが太くなって先が細くなる。

で、ちゃんと春から効くと寸胴型の枝で伸びてキュっと止まる。

で、ダメな枝は元が太くてそれがヒューっと細くなっていって上がちゃらちゃらっていう感じ。

これが堆肥の効果なんです。必ず植える時に太陽熱養生処理をやってください。

丸山さんに設計をしてもらって下さい。

(参加者)植える前にロータリーかけて、太陽熱の時は、句要請の微量要素の方が良い?

(丸山)基本的にはそうですね。

→そうですね。まあそれは全て設計で。当てずっぽだとろくなことは無いので。

(丸山)まあ、うちなんかでいうと、炭水化物になるバカスなんかの肥料が結構豊富にあるんで。

で、元の土壌がphが7か8に近い状態で、炭酸カルシウムを400~500kgぐらい入れて。

バカスが手が生まれてマイナスになるのでそこにくっつけるという…ビデオ切れる

う。今、あそこしかなっていないでしょ?

やっぱりリンを調べた方が良いです。ちょっとした刺激で花がつかない、というのはリン欠の可能性がある。

 

また、耐寒性が低いというのは、含糖率が低い、つまりATPが低い、つまり糖が作れないんです。

ATPと言うのは一時的に植物がエネルギーを貯めるところなんです。バッテリーですね。

そのバッテリーの力を借りて、水と二酸化炭素からブドウ糖を作るんです。

つまり、二酸化炭素と水が化合するためにエネルギーが必要なんです。

光のエネルギーを直接は使えないので、一時的にリン酸にエネルギーを貯めるんです。

それを徐々につかって化合させてブドウ糖を作るんです。

だからリンが無いといくら光合成されても一時的な充電ができていないから、糖分が出来ないんです。

 

あとは、苦土はあったよね?

(丸山)ありました。

他のみなさんでトラブルを感じたのは無かったので、大きなのは無いと思います。

しいて言うなら、桃の枝の増やし方。結果枝の増やし方。

元肥えが遅れると強い枝が出るだけで、他の枝が出にくくなるんですよ。

桃の一番大事なのは成枝を細かい枝を沢山増やすこと。そこに1個に1個つける、とやると、全然違う個数がつくんです。

今回は太い枝につけちゃっているので、糖分が上がりにくい。

(丸山)摘蕾しちゃった方が良い?

→そうだね。太い内側につけても美味しくならないんでね。

何故かと言うと葉っぱがみんな日を浴びないんですよ。

外側につけた葉っぱはみんな日を浴びているから糖度は上がりやすいんですよ。

(清田さん旦那さん)太いのを残しちゃった(笑)

→太いのを残すと渋いんですよ(笑)今日、僕がね、選んで「ここが美味しいですよ」っていったやつはね、主枝から枝を出して結果したやつをとったんですよ。

特に農協出しの桃はほとんどそんな感じです。産地の桃はほとんど美味しくないです。

色が良くても駄目なんですよ。色はいくらでもだませるもの。

みなさん、なので春肥じゃなくて元肥でやってください(笑)

 

(清田さん)でも元肥をしっかりやっていても、徒長枝が確実に止まった段階では、多少は振っても良い?

→要はその時の大きさですよね。やんなくても大きいならやんなくて良い。欲が出て球数が多ければちょっやった方がね。

さっきの14.何kgは押田さんの畑でしょ?礼肥やっているようなものなので、窒素が切れていないんです。

だから樹勢が落ちないんです。

(押田さん)今年はもう追肥はいらないですよね?

(丸山)今年の場合は天気がこんな状態だから。

→これ以上やったらみんな割れちゃうからね。かき揚げセンベイになっちゃう(笑)

桃は盛り上がって外れるんだけど、梨は割れちゃうんです。

 

(丸山)今回、グローイングMAPって言われている、作物の生育に合わせて何がどの時期にどれだけ必要か、というのをある程度イメージをつけようっていうもので。

→グローイングというのは成長という意味。

(丸山)大概、スタートは基本的には収獲するところの手前か後か、その礼肥という所から始まって、冬があって、春があって、最後収獲になってくる。

その時に、礼肥のところでどのていど窒素が残っているか、どれだけ足すか、という部分と、その後、収穫後かそこらへんで元肥というのがあって、その量で冬を超えて春になって窒素量が落ちてきて、この時にリン酸の必要なタイミングを含めて抑えていくことが大事。

梨もキウイも果樹は基本は同じだと思うので、キウイは特に礼肥と元肥を収穫前に一緒にやっていく。それがある程度落ちてこないと枝止まりしていかなくて、窒素が残り過ぎていて冬になっても肥料が効いて凍傷害になりやすかった。

なので必要な窒素量をどのぐらいか、というのを。

(押田さん)先生、窒素量過多は凍傷の原因になる?

→そうです。つまり春先と一緒になっている。木が動いているんで。

(丸山)これは多分窒素、リン酸、カリ、石灰等も全部同じ内容で、押田さんのが凍傷になる一番の要因は窒素が残っていて水が上がるというのもあると思うんですけど、リン酸が全く無かったので、結局、消費が仕切れないというのもある。

→そう、消化が仕切れないでずっと残っちゃっている。例えれば、胃袋にずっと食べた物が残っている状態。

(押田さん)消化させるにはどうしたらいいですか?

(丸山)リン酸。

(押田さん)じゃあ、過リン酸石灰やることで解消する。

→はい。

(丸山)但し、過リン酸石灰をやったら窒素をいっぱい入れていいか、っていったら、そもそも今の樹齢に対して消化できる量があるので、それに対しての量を入れていかないと、そもそも消化しきれませんよ。

リン酸があっても消化しきれませんよ、ってなりやすい。

(佐藤さん)ただ穴を掘って植えただけ?

(押田さん)そうだよ。

(佐藤さん)そりゃ、当然だよ(笑)俺だって穴掘ったら土は全部入れ替えるから。草とかを3年かけて土にしたのを使えば。

(押田さん)草を堆積させておいて土になったのを使えばいいのね。

 

(清田さん)さっきの復習で、礼肥の時は炭水化物が多い窒素系の低いものを与えればよい?

→はい。

で、今日現場で見ましたけど、春の時期に蕾のついている枝を切ってコップに刺したものがあるとすると、外の木にある枝に花が咲く時期とコップの枝に花が咲く時期は、同じ気温であればほぼ一緒なんです。

それって芽がついていて、花を咲かしますが、そこには葉っぱも出るじゃないですか。

で、葉っぱって、基本的に窒素をやったから出るでしょ?

という事は、絶対に枝の中に窒素が含まれているはずなんですよ。

だけど、良く考えたら、収穫時期に窒素があっていいんでしたっけ?

窒素があるということは、葉っぱが出ちゃうんでしょ?という事は、窒素があっちゃいけないんでしょ。

じゃあ、これを肥料で言うと、こういうことがわかるんですよ。

春先には蕾の所に窒素が来ていなくてはいけない。これが一番果樹で大事なこと。

しかし、収穫した時は窒素はどうなんですか?切れている。

上が木の伸びや実の大きさで右が窒素の量と思って下さい。

収獲の時は窒素が減ってこなくちゃいけないんです。で、限界窒素というのがあって、これよりも少なくあると枝が止まるというのがある。

窒素が切れたと見える。しかし、切れていたら実は大きくならないんで、残りが肥大肥なんです。

だから元肥一発で作るということは、こういうことなんです。

切れたんじゃないんです。限界窒素と言うのがあって、それを下回ると、枝も伸びない芽も動かない状態になるんです。

 

で、窒素を少しやるとどこも動かない。どこ動いているんですか?根っこが動くんです。

それ以上に窒素をやると芽。もっとやると枝が伸びる。だから芽が止まるというのは限界窒素点なんです。

(押田さん)でも、窒素が切れる頃かなってどう見ればいいんですかね。

→芽が止まっている、止め葉が出ている。つまり、芽が止まるという事は、必ず止め葉が出ている。

キウイは若干難しいかもしれない。ただツルの伸びが遅くなっている。丸まってきたらそういう時。

だから、芽が止まるというのは止め葉が止まるから止まるんです。だから最後の葉っぱがヒョロヒョロって小さい葉っぱの時は、肥料をやったら実はこれ伸びちゃうんです。

だけど大きな葉っぱでピタって止まったら、芽の先端が丸くなって、ちょっとやそっとの窒素では動かない。

そうすると、芽が動かないんだったらそこに窒素をやったらどうなるんですか?実にいくんです。

だから、そこから実肥えなんですよ。芽が完全に止まって窒素をそっからやったら実がぐぐって大きくなるんで、逆に言うと、限界窒素を超えた後に足し算をするというのが実肥えだったんです。

押田さんの得意技。沢山なっているんだったら、これをやらないと大変なことになる。

(参加者)追肥は花芽の細胞分裂の時にやると良いって、昔、聞いたんですが、それよりも葉っぱが止まってからが良いということですか?

→細胞分裂と細胞肥大があるんです。2つの工程があって、花粉がついて受粉して核分裂がいっぱい出来るじゃないですか。この時にも窒素が必要なんです。

この時は細胞数っていって、中の数が決まる。何億個という。それで箱が決まったんですけど、今度はその1つ1つを大きくしたいという意味になる。これが細胞肥大。

1つ1つが小さい細胞だったのが大きくなるという現象なんです。

で、窒素が多い時は細胞分裂なんです。で、その後の少ない時は大きくするだけなんです。

という事は、限界窒素の線を超えちゃいけないんです。で、もし、限界窒素、芽を動かす窒素をやると、超えた分は?

(参加者)枝の方に行っちゃう。

→そう。二次成長にいっちゃう。

(参加者)ということは、細胞肥大は前の礼肥で済ませろっていうことだ。

いや、元肥。本当は春の窒素でやらないといけない。春は分裂なんですよ。で、分裂は相当窒素を使うから。で、なおかつ枝も伸ばさないといけないから膨大な量が最初は必要なんです。ところが春にやったら中に染み込みますか?だから秋にやってください、って言ったんです。間に合わないから。

(参加者)早め早めにということですね。

→そうです。半年前にやったやつが実際に効くから。

そしてこれは窒素の話ですが、カルシウムの欠乏の話をさっきしたじゃないですか?石灰の話もしましたよね?

全体がカルシウム欠乏の圃場だったんだけど、片方は窒素をやってカルシウム無し、片方はカルシウムをやって窒素無し。そうすると根っこはどっちに出たか?

窒素をやった方がだったんですよ。カルシウム有りの所はチョロチョロだったんです。

という事は、先ほどのように窒素をやるのは良いのですけど、春に設計したミネラルは元肥でやらないといけないんです。ミネラルと窒素は一緒にやらないので。それはいつですか?というのが、葉っぱが落ちてからの元肥だったんです。これは葉無しなんです。葉っぱがあっちゃ駄目なんです。つまり休眠に入っている時にやるから下に入るんです。

じゃあ、礼肥をやるタイミングはいつですか?って言った時、さっき僕、言ったじゃないですか、枝を切ってコップに入れたのに花が咲く養分はいつ貯めたんですか?って。

いうのはさっき言った通り?

(参加者)花がある時。

→そう。これが窒素量の15%ぐらい。それが枝の中に窒素を貯める時期なんです。だから獲る時期は礼肥と言っているんです。有難うございましたって言って。

で、このリズムで行くと、太い枝が短く止まる。すると全部蕾がつくからどこへ実をつけてもOK。

で、これをやると1本の成枝に桃を2個つけることが出来る(笑)

押田さんの梨を見てもそうなっているでしょ?きちんと実がついているんだもの。

だから、この系図が頭に入っていないと、生理がおかしくなって獲れなくなる。

(丸山)このベースを頭に入れておいて、それで今年は天気が悪いから窒素を消費していないな、どうしたらいいのかな、って考えると、木が弱っていても吸っていないだけだから追肥は無いよな、っていうことに繋がってくれる。

→入れているなら、じっと我慢。入れたら割れるだけ。

これが落葉果樹のグローイングMAPです。つまり、糖度を上げたい。だから窒素を切らさなくちゃいけない。だけど大きくもしたいから実肥えも上げたい。だけど実肥えをあげすぎるともう1回二次伸長しちゃう。だから芽が動かない程度の窒素っていうのが大事になってくる。しかしその前の細胞分裂、いわゆる花が咲いて実が受粉して梨の中がガーっと出来てきて最初の形が作られる。その最初の窒素が必要。でも枝が伸びなくちゃいけない。だから限界窒素を超えて窒素が沢山ある。それが吸われてきて芽止まりを起こす。あとは肥大が起る。上が止まるからやった窒素が実を大きくする。でもそれをやり過ぎたらさっき言った通り二次伸長を起こしちゃう。だからしないように窒素をコントールする。

(参加者)ほんの少しやればいいっていうこと。

→そういうこと。

で、礼肥は枝に貯める。で、元肥は全体の木を動かす。

(参加者)礼肥は窒素は少なく、元肥は?

→それは60~70%は全体窒素に対して必要なんです。

(清田さん)先生、礼肥は枝に貯めて、元肥はどこに?

→土の中。つまり春に吸ってもらうための準備にする。

(参加者)やはり元肥は成分でいえば8ぐらいの方が良い?

→そうです。だって日が強くなって光を浴びるから全然問題ない。

(丸山)礼肥は炭水化物が多いやつ。

→礼肥は窒素4とか。

 

(参加者)あと先生、予備枝を管理するときに花芽をつきにくいやつをつくようにするには、いつのタイミングが良いのでしょうか?

→さっき言った通り礼肥が無いと最初のスタートが悪いので、芽が動かないんですよ。そうすると一番先端の外の枝が動いちゃう。で、それが長すぎるから、それで果樹というのは一番先端の芽が大事で、そこに養分を貯めてから枝に戻ってきて全部貯めるんです。ところが枝が長いと全部に行き渡らず、枝元の方は栄養がいかないから全部丸坊主になっちゃう。成枝が無くなっちゃう、前へ前へ行っちゃうから。枝も出なくなってしまう。いわゆる結果枝が無くなっちゃう。

(清田さん)前の年の枝の貯蔵養分っていつの何の事ですか?

→礼肥の15です。

(清田さん)それを言うんですね。元肥ではなく礼肥ですね。

→そうです。これが多すぎると押田さんの所のようにみんな割れちゃうんです。春みたいに動いていないから。貯蔵養分というのは含糖率が高いから割れないんです。

(丸山)それが窒素よりなのか炭素よりなのかっていう部分がでかい。なので窒素4のような少ないような。

→少ない方が炭素が高いんです。

(丸山)少ないといっても有機物なので、炭水化物なので。化成ではこうはいかない(笑)

→凍害が出やすいところでは化成はもっての他(笑)自滅するようなもの。

(丸山)天気が良ければある程度光合成で貯めるんでしょうけど、それでも博打に近いような状態になってしまうので、安パイなら有機物が。

(押田さん)でも葉っぱのある時に貯蔵養分を蓄えると聞いても、キウイは収穫時期が11月だから。

→だからキウイは礼肥はいらない。元肥えだけなんです。

(丸山)逆に過剰窒素を入れてしまうと貯められずに動いちゃう。

→そもそもキウイって年内中に花芽をつけないんですよ。春先に芽をつけながら伸びていくんです。

(丸山)そういう意味ではキウイの窒素が過剰になりすぎないように、という所がポイント。

→キウイは窒素が過剰にならないようにするのがポイントなんです。

(押田さん)キウイは設計図は梨と全然違うのね。

→違う。

(丸山)ただ、システムは同じなんで、キウイは癖として春になっての動きなんで。

→そう。礼肥はいらないけど元肥は木の大きさにある程度必要ですよって。

(清田さん)でも、梨は皆さんを見ていると、徒長枝が無いぐらいから窒素を入れ始めて、実を大きくするためという中で結構使う人は使うんですけど、それはあくまで実の方に使い切れちゃうのかなって。

→いや、結局、芽が止まる頃に窒素は少ないじゃないですか。それで限界窒素になって芽が止まるその前に撒いちゃっているんです。止まる前に。だからその分、余分にまた伸びているんです。でも、さすがに実も伸びるんですよ。でも余分の枝が伸びているから、虫も止まらない。で、木の木質化も遅れているから。

 

(清田さん)雨が降るといきなりわかりますよね、二次伸長しているって。

→そういう時ってアブラムシが発生するんですよね。

(清田さん)しっかり止まっている時って二次伸長しなかったんですよね。大きな葉っぱで止まっている時は二次伸長しなかったんですよね。

→何故かというと先端の芽がちゃんと丸く大きくなって膨らんで、それで動かないんですよ。

(丸山)人間も結局、伸びている時は柔らかいけど、いったん止まろうとすると硬くなっちゃうので、その硬いやつを動かそうとすると、柔らかい時の力では動けない。

→1回木質化が起っちゃうと、二次伸長しにくいんですよ。

(清田さん)やっぱり大きな間違いは、切れてしまっていると思ってしまうから、その恐怖で木を駄目にしている。だから恐怖で(笑)切れているわけじゃないんですよね。

→そうすると栄養成長時間が長くなっちゃうので、花芽が膨らまずに三角になっちゃうねすよ。

(丸山)逆に言えば、限界窒素点が切れるという、良い、切らさなくちゃいけない。まあお米でも登熟期間をちゃんと伸ばすために切るというのがあって。で、超えない程度。

そもそも土質の部分がこれをやるにしても、カチカチの土なのか柔らかい土なのかで全然違う。

で、栄養は結果枝と根に貯めるんです。間は水が抜けるんです。だから凍害にならないんです。

で、落葉した後に元肥を入れて全部土の中に沈める。それは元肥の窒素プラスミネラルを一緒に撒く。微量要素も全部。

まあ、ミネラルは正直礼肥の時に撒いても良いです。そんなに時間差は無いので、撒きやすい方で結構です。

(押田さん)キウイはいつ撒いたら良いの?

→前年度。秋です。

(押田さん旦那さん)ミネラルは春に撒いちゃったからな。

→秋にやると葉っぱがしっかりして。

(押田さん)ミネラルはバランスがやっぱり大事なんですよね。

(丸山)もちろん。土壌分析をして今の状況をしっかり踏まえて、不足している物をちゃんと足していく。

→礼肥で枝と根っこに多く貯める。だから水に枝を刺しても花が咲く。で、根っこに養分があるから水を吸える。で、礼肥だけでは途中で燃料切れを起こすんですよ。つまり、第一次ロケットを発火させただけなんで、だから元肥につながるんですよ。

で、元肥につながるっていうことは、春までに絶対根の所に来ていなくちゃいけないんですよ。

(丸山)発火をしたけど後で消えたらね(笑)

→シュワシュワって消えたらアウトですよ(笑)そうなる前に。葉っぱがウワっと出て、小さくなってまた広がる時が来て、ひょうたんになってしまうんです。つながると寸胴型できれいに葉が出来る。

礼肥は秋やったのに元肥が春になんてやると、最初がぐっと伸びているのに、その後に済んじゃったみたいに節が1年経っているみたいな詰まり方になって、そこからまた伸びる。そうすると凄く調子が悪くなる。春先からやはり均等に伸びる必要がある。

なので、礼肥が発火点、元肥が全体を動かす。で元肥が切れてきて、枝が止まったら、こぶしが出来たら礼肥。

 

(参加者)晩梨であれば?

→どっちかというと実肥えをやっている回数が多いので礼肥になっている可能性がある。晩生の場合は安全率が高い。まあいい方悪ければごまかし栽培。但し、前後にやれるのは窒素率が低いやつ。

(丸山)窒素率が低いのは有機と思うけど、米ぬかとかが。

→駄目なんです。というのは分解してから効くまでに最低でも1カ月かかるので、やってるのに効かない、で時間がかかって後ろにずれる。だからSGRみたいなのは雨降ったらすぐ効くやつを。

【最近の畑の様子)

R11016。船橋のキウイフルーツ圃場。あまり見かけない品種のブルーノ。

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【更新情報】

【2019/11/1】

 最近の畑の様子に

 船橋のキウイフルーツ圃場。

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