会員向け限定ページ

2012.10.15 丸和さん勉強会

◆ニンジンの夏場の生育障害について

【現象】

■外葉が黄色く枯れ始めている

 7月下旬にまいた愛紅(あいこう)は、8月はとても順調に生育していたが、9月、10月に入ると外葉が黄色く枯れはじめた。

 窒素肥料をいつもより若干多く与えたことが原因ではないかと推測をしていた。

■1度生育が止まったあとに、2次生育が起きている

 また、茎の付け根が盛り上がっていることから、明らかに一度生育が止った後、再び2次生育をした痕跡がある。

 

【原因と対策】

<原因>

・一番の原因は初期生育段階の「水不足」。夏場の水不足のために窒素が1回切れて生育が止まり、本葉が増えるまでに時間がかかってしまった。

・また、一度生育が止った後に雨が振り、後から窒素が入ったが、一度生育が止まって固くなった細胞の中で窒素の行き場が無くなり、ストローが伸びたり、細胞が膨張して変形した。

・高温障害も発生している。

・土壌が過乾燥したことにより硝酸が増え、その後の雨で水に溶けやすいエネルギーのない硝酸態窒素が硬くなった人参に入り込んだ。

 

<対策>

・今夏は雨が降らずにすぐに畑がカラッカラになっていたため、根が生える20cmぐらいに水分があるよう潅水し続ける必要があった。

・ニンジンの生育適正温度は25℃ぐらいまで。地温が33℃を超えると地中からの吸水と葉っぱからの蒸散のバランスが保てなくなる。そのためにも水分が必要であった。 

 

【観察のポイント(詳細解説)】

■茎の本数が5~6本と大変少なく、外葉も黄色い

・茎の本数を見てみると、本来ならこの時期は11~13本は茎があるはずなのが、5~6本と大変少ない状態になっている。初期生育時に水分が足りなかった証拠。

・また、外側の葉っぱ、下葉が黄色い。普通なら開いて垂れていくのがその前に黄色くなってしまっている。

・実際、昨年のこの時期ならまだ子葉は残っていたが、今年は本葉が出たらすぐに枯れてなくなってしまっていた。

■茎のストローが長くなり、変形している

・窒素は体をつくるもの。水分が切れて窒素が切れたことにより、ニンジンの生育が一度止まって、体が固まった。その後に雨が降り窒素が再び来たが、既に細胞が固まっているため窒素の逃げ場がなく、真ん中が伸びたり、膨張するしかなかった。まっすぐではなく曲がったり、よじれたりしているのは、キャベツの巻葉が起きるのと同じ理由と言える。

■茎葉のツヤも無い

・硝酸態窒素は光合成により炭水化物になる。炭水化物は「糖分」「でんぷん」「油(ワックス・テリ)」の3つになる。これがきちんとできていれば、本来なら茎葉はもっとツヤ・テリがあるのが、今年はほとんど無い状態。これは炭水化物がいっていない証拠。肌がカサカサしたアトピーのような状態になっている。

■潅水を行った隣の圃場の長ネギの生育は順調

・今年はどこの畑でも長ネギの生育が遅れているのが、宮城さんの畑の長ネギは絶好調。その理由は、潅水をし続けたため。実際に、長ネギの圃場に隣接しているニンジン畑の数畝は、水分が来ているため生育障害が比較的出ていないのも確かめることができた。

 以上から、夏場の水不足が原因で窒素分が切れてしまったことで、生育がストップしてしまい、その後の9月の雨で再び2次生育が起きてしまったことが問題と判断できる。

 

 対策としては、今年のように雨が降らず猛暑が続く夏は、潅水をし続けること。本来は本葉5枚ぐらいになったら水を上げなくても良いという「常識」があるが、実際にその「常識」に従ったために、どこの畑も生育障害が出てしまった。

【最近の畑の様子)

H300724。水稲勉強会2。

【会員限定ページ】

会員向けの限定情報を掲載しています。

会員限定ページはこちら

【更新情報】

【2018/7/25】

 最近の畑の様子に

 水稲勉強会2の画像を

 載せました。

 

【2018/7/9】

 最近の畑の様子に

 和梨の圃場視察の画像を

 載せました。