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2014.10.8 丸和さん勉強会

◆越川さん堆肥場見学

【解説】

■理想の堆肥の状態

繊維質もボロボロでとても良い状態。入れるものを管理して、そろそろ抗酸化力の段階に行っても良いかもしれない。仕組みと技術を知った後でやれるかやれないか判断できればと思う。


■堆肥の2つの栄養素

堆肥というのは大きく分けると2つの栄養素に分かれる。1つはタンパク質。糞は豚や牛の腸を通った後の残渣。炭水化物はブドウ糖に変換され腸から吸収される。吸収されないというのはタンパク質。つまり残った糞はタンパク質。もう1つはオガ粉とかなのでセルロース。


セルロースはCHO。分解されると黒い蜜が出てきます。きちんと出来ているとハチが寄ってくる。つまり分解されると糖になる。セルロース、つまり植物の繊維質というのはブドウ糖がつながっているもの。発酵というものはこういったものをブチっと食べて切る。これが2つ繋がると砂糖、3つ繋がるとダイエットとかで聞くオリゴ糖。


つまり畑に液状化した堆肥を畑に入れるということは、こういったネト~っとしたものを入れるのは、砂糖を入れるのと同じ。

土の中に糖を入れて発酵をすると、どうなるか?

お米はでんぷん、それに糀をつけるとどうなるか?お米に糀をつけると甘酒が出来る。つまり、糖が出来る。

今度は糀をタンクの中に入れて水をつけるとアルコールになる。その時に泡が出てくる。

セルロースは分解されるとオリゴ糖とか出来るのですが、最終的にC6H1206という糖が出来るということなんですが、それが2C2H6O1というようにアルコールが2つ出来る。Cは合計いくつですか?2×2=4つですね。Hは2×6=12.Oは2×1=1。最終的にC4H12O2。C6H1206と数があっていないですよね?Cが2個どっかいっちゃっている、Oも4つどこかいっちゃっている。つまり、2CO2、これがあぶく。なのでこの堆肥が畑にこの黒い液体が雨と一緒に染みこむと、アルコールが出来て二酸化炭素が出る。

それも土が固ければ固いほど、ガスが出る。酸素が無いから二酸化炭素が出る。ということは、固い土は中でガスが出るから柔らかくなる、という現象が起きる。

 


残ったのが、C2H6O1。ここに土が軟らかくなったから酸素O2が入ってくる。すると水H2Oが出ます。もう1個酸素がくっつくからC2H4O2。酢になります。これは根っこから出る酢と同じ。これを3つ根っこから吸われるとC6H12O6、つまり元のブドウ糖に戻る。すると、天候が悪くても根っこからブドウ糖が吸えるということになる。

 

その時、里芋があったとします。里芋はでんぷんの塊。でんぷんはブドウ糖が繋がっているもの。これが里芋の本来の姿。天気悪くても、下から酢が吸われるということは、いずれブドウ糖になって中に入ってくる、つまり、天気が悪くてもこの堆肥の液体が仕込まれたら、ブドウ糖が根っこから吸われるのと同じ。つまり、芋が太る。

 

但し、この堆肥の液体にハエが寄ると糖では無くアンモニアなんです。つまり、最初に出てくるブドウ糖が並んでいて切られて糖になりました、というのではなく、CHOではなくNH、窒素だから、ブドウ糖でないから腐る。

 

■堆肥の最初にハエが寄ってくるのは?

堆肥が硝酸に変わる前の物質がアンモニア。堆肥に使う糞の最初はタンパク質。タンパク質の分子構造は実はNHなんです。だけどこれが溶けてくるとCHOがくっつく、NHとCHOがくっつくと何になるか覚えていますか?

そうです、アミノ酸の分子構造CHO-NHです。ということは、堆肥の中に糖分とアミノ酸があるということ。

基本的にハエは糖はあまり好きでは無く、アミノ酸だけなめている。基本的に長距離飛ばない。アミノ酸だけ吸えば、人間で言えば肉を食べているのと同じで、カロリーをとりだしている。

ハチは長距離飛ぶのでカロリーがたくさん必要で、糖とアミノ酸でカロリーをとる。

 

■牛の糞にはハエが少ないが、豚の糞にはハエが多いのは?

鶏の糞に、しき材の繊維が無いからNHそのまま。CHO-NHのCHOが無いから合成できない。

豚糞はしき材があるが、発酵していないから結合していない。

牛は腸の中で結合している、だからハエが少ない。

馬はCHOが多い、草を食べているから。馬の糞は分解するときにドロドロのネバネバが出てくるから、土の中に入れると間違いなく発酵してよい。

もう1点、ブドウ糖が土の中に入ると酢が出来る。酢はもう1回循環して吸われるから、だから光合成しているのと同じになる。

 

これが丸和組合の今後のテーマとなると思う。

 

要するに、セルロースがブドウ糖にならないといけない。ブドウ糖になると、糞で入ってきた窒素などがアミノ酸に変わる。するとおしっこの臭いがなくなって香ばしい匂いに変わる。絶対炭水化物のワラが余るので、アミノ酸と糖となり、文句なしになる。

 

 

■堆肥が腐って作物が吸って病気になるのは?

 アミノ酸はCHO2-NHという形ですが、沢山繋がるとタンパク質となって体の細胞になる。その時、たまたま日照が少ないと、周りのセルロースが作れない。

 

アミノ酸CHO2-NHの役目は細胞の中身を作るだけ。通常は光合成をして回りの側の箱を作るのがCHO。アミノ酸CHO2-NHが作るのは中身だけ。

■腐敗と発酵の差は?

アミノ酸は記号がC・H・O・Nの4つだけ。発酵物と言われている。

 

アミノ酸の公式をもう少し、ばらして書くと

CH-CH-COOH

これにNH2というアミノ基がつく。さらにもう1つアミノ酸が付く。このNHのところにもう1つのアミノ酸のCOOHがつくと水H2Oが出ていって、ガチャンとくっつく。これをペプチドと言います。3つくっつくとポリペプチドと言います。これがたくさんガチャンガチャンとくっついていくと、最終的にはさっきの細胞壁になる。

 

だから、この堆肥から溶け出してくるアミノ酸の役割は、最終的には細胞を作るだけなんです。

しかし、ここに糖が混じってくると、地面の中でボンと爆発した後に、酸に変わって、酸がもう1回再利用されてくるから、糖に変わるんです。糖に変わると細胞の周りの壁を作る原材料になる。つまり、堆肥の中に糖があると言うことは、天気が悪くても細胞壁を作る材料があると言うこと。里芋だったら更にでんぷんが溜まるということ。

 

つまり、堆肥から溶け出してくるものは、アミノ酸と糖でなくてはいけないということ。アミノ酸だけではダメと言うこと。

 

腐敗は悪い堆肥。

C9H7-NH2、スカトールという物質。豚の糞が臭い物質。もう1つトリメチルアル(CH3)NH2。

これらくっつきそうですか?分子は似ているんですがCOOHが無いんです。

だから、もしエアレーションが無かったら、菌が堆肥の中に隠されている酸素を二酸化炭素として出してきちゃう。すると、COOHがなくなっちゃう。

腐敗と言うのはCOOHカルボン酸が無くなるということ。

しかし、エアレーションをしていると、酸素不足が起きないから物質から酸素を無くさない。嫌気だと腐りやすいということはそういうこと。


■悪い堆肥を畑に入れると何が悪いのか?

例えば、アミノ酸CH-CH-COOH-NH2と、もう1つの腐っている物質C9H7-NH2とくっついて水H2Oが出ました。しかし1回はくっつくけど、COOHが無いので2回目はくっつかない。ということはタンパク質にならない。ペプチドにはなるけどポリペプチドにならない、つまりタンパク質にならない。

腐敗物質があると、タンパク質と似ているから植物は吸いやすい。しかし吸収したのに体に使えない。吸ったら細胞分裂が盛んな先端細胞にもっていく。しかし、細胞分裂起こしたくても使えないから先端細胞は、腐る。

 

虫は寄ってくるが、虫は危ない物質はおしっこで出せる。腐っていても食べられるハイエナのよう。

 

だから、堆肥はCOOHが無ければ虫を呼んで病気を起こしてしまう。

その判断の一番の違いは匂い。 


蛾と蝶の違いは?

芋虫の時は基本的には同じ。体を大きくしなくてはいけないから。


では植物は、側のセルロースと細胞の中身の2つある。蛾や芋虫はどちらを食べにきているか?中身ですよね。

じゃあ、何でわかるのか?それは臭いが漏れているから。

トウモロコシとかは今の品種は昔に比べて臭いが濃い。品種改悪と言っても良い。もともと澱粉をためる性質を持っているのが、今のは糖を溜め込んでいる。つまり未成熟で弱くなっていて、セルロースが少ない。だから臭いが出ている。逆に言うと中国のトウモロコシは、虫が余りつかない昔のトウモロコシのように澱粉が多く甘く無いやつ。

 

ここで理解してもらいたいのは、糞が分解してタンパク質やアミノ酸になるのは良いが、それが溶け出した時に一緒にセルロースからブドウ糖が溶け出してこないと片手落ち。アミノ酸だけだったら絶対、側は弱くなるから。

だから、良い堆肥と言われているものから出てきた黒い液を計ると、糖度が高い。

 

リトマス紙でPHを見てみて、赤くなると酸性。ここのは若干オレンジでPH5.5ぐらいだから、成功している。COOHがあると酸性を示す。逆に失敗するとアンモニアが多くアルカリ性を示す。

 

アンモニアが水に溶けると、こうなる。

アンモニアNH3+H20→NH4-OH。OHは水酸基といって、皆さんが良く知っているのはNaOHという化成ソーダ。石鹸作る時に使うやつで、これはアルカリ性。OHが多くなるということは、アルカリ。つまりアンモニアが多いということはアルカリということ。PHで計ってアルカリということはアンモニアが多いということがわかる。

堆肥のPHを計ると良く分かる。

 

アンモニアが多いということは、酸と結びつかずアミノ酸になれず余っちゃっているということ。基本的に酢が出てくれば、アンモニアはアミノ酸で結びついてアミノ酸になる。アンモニアが余っちゃっているということは、堆肥の中で繊維が分解して酸を作っていないということ。そういう時は、ワラとかを入れて分解してくっつけてあげればいい。そうすると地面の中から炭水化物があがってくるので、初期から虫がつきにくい。なぜなら炭水化物だから最初から吸えるから細胞の側が作れるから。だから芯食いなどの影響がガタッと減る。

アンモニアが多いとセルロースが作れない。成長が早いから間に合わない。

堆肥というのは初期生育にとても大切。


■C/N比について

アミノ酸はCHO-NHで、繊維が溶けると炭水化物、糖CHO。

Cが2つあって、Nは1つ、C/N比は2:1でCが多い。

一方で、糖分が少ないとC≦Nになる。C/N比がガタッと変わる。ましてやアンモニアが多いとCはあるけど、どんどん減ってきてしまってNが過剰になってしまう。

なので、堆肥でPhを計るのはとても重要な意味が出てくる、つまり炭水化物が余っているかどうかの証拠があるかわかる。

アンモニアが多いとNが多いので最初は成長は促されるけど虫にやられる可能性が上がる。Ph1つとってもとても重要。

杉本さんが視察してきた人達は、こういった堆肥を使っているが、更に竹パウダーを使っている。竹は酢を作る。

CHO-NHというアミノ酸タイプとCHOという炭水化物でいうと、竹パウダーは炭水化物タイプ。だから絶対Cが多くなる。初期成育で虫が付かない。

ただ、彼らは技術が無かったので竹パウダーを使った。きちっと発酵技術があって堆肥で糖が作れれば竹パウダーを使う必要は無い。

Phが7~6の間で十分。7ぐらいで播けば地面の中で酸性化してちょうど下がる。それがアンモニアが多いと下がらない。NHだけでOHが無いから酸にならないから下がらない。

 

■堆肥で一番炭素率を上げるには注意点は?

一番大切なのは空気と水。あと、意図的に下げたいのであれば菌が2種類必要。誰がやっても成功するというのにするのであれば、バチルスとクロスリジュウムという2種類を入れると、腐らないで良い堆肥になる。誰がやっても出来てしまう。今までの難しさが消し飛んでしまうぐらい簡単。

クロスリジュウムは嫌気性の菌で、嫌気性は普通は腐っちゃうけど、腐らせない。COOHを外さないタイプ。普通、エアレーションの間は腐りやすいけど、そういった菌がいると腐らない。ハウスのパイプが腐らなくなる、さびなくなる。腐っていると大量の硫化水素ガスが出て、水につくと腐食させる。だあらミツバチが飛んでいるハウスは長持ちして、ハエが多いハウスは早くだめになる。

「クロスリジュウム セルロース」でネット検索して調べるといくらでも出てくる。もともと木質をアルコールにする菌です。オガ粉なども分解しちゃう。


白神酵母は結構後ろの方に出る。酵母の役目はこういった液を吸って二酸化炭素を出す。だから堆肥に酵母をかける理由は土をもっと柔らかくする。入れすぎると柔らかくし過ぎてトラクターが沈んじゃう。実際やっちゃったことがあります(笑)

丸和さんは団粒はいらない、もう終わっている。それよりも初期肥効で虫などにやられないために、この堆肥から溶けてくる液体に酸性物質、つまり酢になるものが多く含まれている、というのが次の段階。


実は抗酸化力というのは酢を吸うから高まるんです。抗酸化力や栄養価というのは光合成でアミノ酸吸うからとかのレベルの話ではない。堆肥から溶け出したものが大事。例えば、オガ粉を分解するとその3倍の酢が作れる。オガ粉が土の中にあると酢が出てくる、しかも休まず。それを酢をかけるとなるといくらお金があっても足りない(笑)

 

堆肥のような固形物を見るのではなく溶け出してきたものを見る。つまり堆肥というのは3年後には絶対形というものが無いんですよ。最後は溶けちゃう。

堆肥は相当大事。特に有機栽培にとって失敗させてしまうと復活させるのは相当難しい。

宜しいでしょうか?堆肥に糞やオガ粉を使っても、糞の方はアミノ酸にならないといけない。オガ粉やワラはブドウ糖や糖にならなくちゃいけない。そういった発酵をさせなくちゃいけない。結果としてミツバチが飛んでくる。ハエが飛んでくるのはだめ。

大切なのは菌。なぜなら自然界にこんなに大量の有機物が集まるということはないから。ということは、これを自然に似せた形に分解させるためには意図的に菌が必要。放線菌だけではだめ、センチュウ対策はもう大丈夫ですから。センチュウは出ていないですよね?そうしたら今度は栄養素の堆肥の作り方に行きましょう。堆肥の上側に実際放線菌はいるんで。放線菌が発生するというのはどちらかというとPHがアルカリに行っているんです。今度は逆の方に行きましょう。かといって上の方は酸性になっていないでアルカリの方になっている。さっきいった2種類の菌を入れると中身の方は酸性に変わる。

■場所があれば2つ分けた方が良いのか?

はい。片方はアルカリ型のエアレーションを送りながら放線菌型の堆肥、片方は空気少なめでさきほどいった2種類の菌を入れて酸性型の堆肥を作ればよいでしょう。

 

■作る順番は、先に放線菌型で、次に微好気型にしていく?

そうですね、基本は最初はあげておいて、後からゆっくり下げていく。逆は出来ない。

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