2017.10.12 丸和さん勉強会(夏の水管理と水溶性炭水化物の利用)
上記のテーマで勉強会を行いました。
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◆山崎さん堆肥場見学
(丸山)結構温度上がっていますね。
→80℃。
(山崎さん)これもみ殻と、米ぬかと生ごみのあれ。
(市川さん)100℃もあると燃えるよ(笑)
(参加者)水があっても燃えるのかな?
(市川さん)アンモニアガスが出ると何かの拍子に燃えるよ。
(丸山)高さを低くすればいい。
→低くすると表面積が広がるから熱が逃げるんで。
逆にいうとあまり窒素を沢山入れ過ぎるとね。
(丸山)エサがあり過ぎるとね。
(山崎さん)植物性だけどもみ殻はあれかい?
→もみ殻はガサになっているだけで、重量は大した事ない(笑)
みんな知っているかも知れないですけど、農家の店しんしん、あそこではblof堆肥を始めたんですよ。しんしん型blof堆肥というの。原材料はしっかり重い廃菌床。植物繊維というか木のクズがしっかり分解しているんで、凄く酸性になりやすいんですよ。
で今回栄養分析に出してみたんですけど、もうばっちり、硝酸もほぼ無しで、スポーンとなっている。
(参加者)俺、木の分解したのを100㎥入れているんだよ。
→お~。結局そっち系なんですよ。美味しくなるのものね。
(参加者)長野は木のクズが多いんだってね。それだったらいっぱい手に入るよな。
→そうですよ、本場ですもの。但し生で入れると怖いんですよ。生で入れると何年もまともに作れなくなっちゃう。
(市川さん)畑にキノコ出るからね。
(参加者)やっぱり畑にキノコがでるやつはあれかい?
→あんまりよくないですね。
(参加者)ハウスなんか、たまにあるんだよな。
→なので、基本的に最初に温度を出して、好気性で。で、その後、嫌気に切り換えてじんわりやる。2段階。
(参加者)じゃあ、温度は65℃ぐらいにしているんかい?
→65~70ぐらいまであります。で温度が出ている時に積みかえてちょっと低くする。で、嫌気性の菌で分解をかける。そうするとphがどんどん下がってくるんですよ。
(参加者)嫌気性の菌なら何か被せないといけないかい?
→いやいや、表面は好気で良いんで、中は嫌気になるから。
(参加者)うちは白いカビが出てきて参っちゃったなと思っていて。
→積み替える時にちょっと水分多くしないと嫌気が入らないで、そこだけちょっと。そして完全にエアーは切っちゃいます。
(参加者)エアー切っちゃうの。あぁ、嫌気だからな。
→そうすると土の中で腐植酸を作るような発酵に堆肥場で切り替えられる。そうすると農家の店しんしんで特別仕様の堆肥がバンバン増えているみたいですよ。
(参加者)じゃあ、儲かりそう?
→いや、うちは教えただけ(笑)彼らは製品化しただけ。で、自分たちが抱えている生産者になんか売っているみたいです。今までの窒素型の、糞型の堆肥じゃダメみたいというのがわかったみたいです。
この堆肥、結構、中が乾いていますよね?
(丸山)温度が上がると蒸散して抜けていきやすいということですね。
→でも、初期発酵で温度が70℃ぐらいとれると、凄い分解が進むんですよ。分解が進んで、それで嫌気性にすると酒が出来るという。
(丸山)糀分解と乳酸分解と、その差を作るということ。
(参加者)菌入れるの?
→ラクトバチルス、あとクロストリジウム、両方。ラクトバチルスは乳酸菌を作り、クロストリジウムは酪酸を作る。
(丸山)そういった酸にミネラルとかがくっついて。
→そう、団粒も出来るよね。で酵母菌も増やしたいんだったらもうちょっと温度が下げれば酵母菌も増えるよね。
(丸山)段階によって菌を上手く増やして上げる。
面白いのが佐賀県なのですが、玉ねぎなのですが、そういう堆肥を入れているんですが、元は田んぼですよ。どんどん拡大して。畝ではなく畝の横。底が抜けちゃったんですよ。
でも次は田んぼで使う予定はないので。今、玉ねぎ不足で。反収平均で8トン、マックス10トンとっている。無農薬で。
今、佐賀のモスバーガーが目をつけて。ベト病で薬が効かなくて周りがほぼ全滅していて、1人勝ちしているので、そろそろやばそうだと、火つけられる可能性があると(笑)
(丸山)なんでそこだけ被害が出ないかというのは、知られているんですか?
→いや、あいつは何か特別な薬を使っているんだと(笑)
まあ、ほとんどの方は2月に強烈な殺菌剤を撒かないとだめなんですが、彼は有機なんで全くそれをやっていなく、普通にとれています。収量も慣行栽培よりとれているので、わけがわからないって(笑)
で、田んぼはとれないはずなのに、田んぼでとれている。そりゃそうですよね、これだけ刺さると水はけがよいので。
(丸山)近くに玉ねぎ畑があるんですよね?
→そう、もうみんな玉ねぎ畑に囲われている。
(丸山)なのに、そこには入らない?
→入らない。ちょっとふちの所が葉焼けするぐらいで。多少は。あとは全部入らない。
(丸山)ウンカもそうですよね。写真見せて頂いたので、隣の田んぼはウンカで全滅しているのに、片方は関係ない。間の畝の幅はほとんどないぐらいで、その距離感で被害がない。そもそも何でそうなるのかがわかっていれば。
→なので、この堆肥の作り方の一次発酵と二次発酵をどう持っていくか。
(丸山)あと畑のコンディションによってその後の手当をどうするか。
→市川さんの所で、理研の人が水溶性炭水化物とか言い始めているでしょ?
(丸山)窒素量が多いとか。でも、畜糞じゃなくて米ぬかだから臭いはそんなに悪くない。中は乾燥が進んでいる。
→それが水溶性になっているんですよ。浸み出した黒い水にハチが飛んでいる。あま~い香りがしているんです。これ、堆肥かよ、という感じ。
(丸山)杉本さん、なかやさんのところで、それ見たんですよね?
(杉本さん)これ、追肥だよ、って言っていた(笑)
(丸山)速攻で効いてしまう(笑)
→今回、市川さんのところでやったのは、水溶性炭水化物になっている堆肥を使ったんです。ブロック別にやって。
市川さん、見に来たのはどこの業者さんですか?
(市川さん)わかりません(笑)
→相当ショックだったらしいですよ、食べて。後で電話してみたら仰天していた、と。同じ種なのに何でこんなに味が違うんだってね。どこの業者ですかね?
(市川さん)なんか創業百十年という北海道の。
→じゃあ、いなばた産業だ。商社で、自分で農場もってブルーベリーやっているんです。で、うちに何とか助けて欲しいといって来たんだけど、やってみたら、そんなの直すより、流通やった方がよいって(笑)あゆみの会が話に行った方が良いよ(笑)
(市川さん)土壌のphが低ければブルーベリーは作れるけどね。
→そうですね。ぜひぜひ。今、僕が見ていると丸和さんはいろんな宝を持っているから、いろいろな話をするとよいですよ。出来ればあゆみの会も北海道を攻めに入って(笑)
いなばた産業、自分たちの社員を農場に集めてやったんだけど、上手くいっていないんですよ。そういうところに技術者送り込んでね。名前を「あゆみの会グループ」ってね(笑)
■人参圃場
(丸山)いつぐらい蒔きですか?
(山崎さん)8月の5、6日頃蒔き。10日蒔きぐらいかな。
→ああ、そろっているね。ちなみに種の蒔く数は?
(山崎さん)3万5千ぐらい。
→正直、愛媛のうちの生産者がここにきたら、ここの土をみたら、こっちに作りにくると言うよ。彼ら、最低が10トン。マックス15トン。
(市川さん)この間に入れていって隙間なくやらないといけないでしょ。
(参加者)それじゃ、手で抜くしかなくなっちゃうよな。
→いや、機械。手でやったら死んじゃうから。田植え機みたいな細いタイヤのやつで、下にいれちゃって。で、土は柔らかいから。根っこだけ切れちゃえば、すっすっすっすと抜けちゃうから。もう全部抜こうとしたら腱鞘炎になっちゃうから。下、一回土を入って、動かしちゃえば、するすると抜ける。
彼ら一応10万粒です。今、12万粒試しています。
MLクラスが売りやすいですよね。というか、間隔が広ければ広いほどばらつく。間隔狭ければ狭いほど大きさが揃う。だから7万粒超えてこないと規格がそろわない(笑)
人参は徳島や愛媛を見にいった方が良いですよ。やり方が違うから。だって反収が倍以上ですもの。これからは農業者が減るから、面積の拡大でやったら体を壊しちゃうから、面積の反収をあげていった方が良い。
正直、僕が見てもこの土だったら最低12トンはいくかな。
この畝幅だったら、2条でしょ?倍ですよ。倍いくよ。
(山崎さん)倍…。
(市川さん)じゃあ、うちは10トン獲れるかもしれないな(笑)
→誰かが10トンいけば…(ビデオが切れる)
基本的には、1畝が6条。で、6条やると通路の本数が少なくなるんです。この通路が言い方が悪いんだけど、場所をとってしまっているんです。
(参加者)とんないと、カビが出て青くなっちゃったりするという意識がね。
(参加者)ならないの?
→混んでいると風が当たらないじゃないですか(笑)
(参加者)なるほど!
→空いていると余計当たっちゃうんです。
(丸山)塞がっているほど草も出にくい?
→出にくい。だって太陽熱マルチやっているもの。